皮膚がんの種類と特徴について簡単に紹介します。
皮膚癌は、種類によって発生する場所が違います。
また、癌のもとになる細胞も違うため、性質や悪性度も違います。
今回は、代表的な4つの皮膚がんについて紹介します。
基底細胞癌の特徴
日本人に最も多いのは基底細胞癌です。皮膚の一番下の層である基底層で発生します。
基底細胞癌は頭や顔など紫外線を受けやすい部分にできやすいため、長期的に紫外線を浴びることが主な原因とされています。
そのため年齢が上がるほど発生率が高くなっています。
基底細胞癌の多くが真皮内にとどまっている状態でみつかるため、転移することは少ないとされています。
手術で取り除けば予後がいい癌(再発しにくい)です。
有棘細胞癌の特徴
次に多いのが有棘細胞癌です。基底層と表皮の中間にある有棘層で発生する癌です。
基底細胞癌と同じく紫外線の影響が主な発生原因とされています。その他にヒト乳頭ウィルスの関与も指摘されています。
やけどの跡や皮膚潰瘍、おできなどの慢性膿皮症、褥瘡などが発生母地として知られています。
手術が第一選択になりますが、放射線への感度も良いため、外科的切除と併用したり、単独での治療も行われます。
悪性黒色腫(メラノーマ)の特徴
発生の割合が一番少ないのが悪性黒色腫(メラノーマ)です。メラノーマは「悪性」の名が示すとおり大変怖い悪性の皮膚がんです。
皮膚の基底層にあるメラノサイトが癌化することで発症します。メラノサイトは、眼や鼻、口の中、消化管などの粘膜に存在しているため、皮膚以外にも生じることがあります。
メラノーマの中でも、日本人は末端黒子型黒色腫が多いため、手や足などの四肢の先端にできることが多くなっています。
癌がまだ小さい初期の段階から転移をおこしやすく、再発率も高い癌です。悪性化しやすく5年生存率(5年間生存できる確率)も低いため注意が必要です。
治療の第一選択は外科的切除ですが、臓器に転移がみられた場合は放射線や化学療法も行われます。
最近では、免疫チェックポイント阻害薬も使われるようになりました。
乳房外パジェット病の特徴
皮膚にある汗を作り出す「アポクリン腺」から生じる癌です。パジェット細胞という癌細胞が増殖します。
増殖したパジェット細胞が皮膚の真皮まで浸潤したものが「バジェット癌」となります。
皮膚の外まで浸潤し進行していくと、リンパ節転移を起こすことがあり危険な状態となるため、早期の治療が重要になります。
境界が不明瞭だったり、離れて複数ある場合は化学療法を中心とした治療が行われます。