メラノーマとほくろが似ているわけ
なんでメラノーマとほくろって似てるの?
【左がメラノーマ、右がほくろ】 出典:日刊工業新聞
悪性黒色腫(メラノーマ)が早期に発見できない理由の一つに「ほくろ」と似ている点があります。
似ているのは、どちらもメラノサイトから発生しているためです。
ほくろ(黒子)はメラノサイトそのもの
ほくろはメラノサイト細胞から作られたものです。
人間の場合、表皮の細胞の約1割がメラノサイト、残り約9割が角化細胞でできています。
ほくろは黒いメラニン色素を含むメラノサイトが集まってできた母斑の一種です。
メラノサイトが皮膚の同じ深さに並んでいるものをほくろ(黒子)といいます。また、メラノサイトが何層にも重なって表皮に盛り上がった状態を色素性母斑(又は母斑細胞性母斑)といいます。
悪性黒色腫(メラノーマ)はメラノサイトが癌化したもの。
メラノーマ(悪性黒色腫)は、基底層にあるメラノサイトが癌化したものです。
ほくろと同じようにメラニン色素をもっており、見た目は「ほくろ」にそっくりです。
つまり、メラノーマもほくろも「メラノサイト」からできているんだね。似てて当然だ!
メラニンは紫外線から体を守ってくれている
メラノサイトが作り出すメラニンは、有害な紫外線から体を防御しています。太陽からの紫外線は、波長が短くエネルギーが高いため皮膚のDNAに損傷を与えます。
皮膚が紫外線を受けると角化細胞から情報伝達物質である「エンドセリン」が放出されて、基底層にあるメラノサイトを活性化させます。
そしてチロシンを原料としてメラニンが生成されていきます。
メラニンは光を吸収しやすい黒褐色をしており、可視光、紫外線を吸収して皮膚を守ります。
メラニンが増えることで皮膚がんのリスクを減らしているんだね