メラノーマ防止に日焼け止めは効果がある?
日焼け止めを使った方がメラノーマになりにくい?
日本癌治療学会が作成しているがん診療ガイドライン(皮膚悪性腫瘍)の中から紹介します。
白人ではメラノーマの約6割が表在拡大型黒色腫です。
そのため、遺伝的な影響の他に長期間の紫外線暴露が大きな原因となります。
しかし、さまざまな研究において小児期から日焼け止め(サンスクリーン剤)を使った場合、メラノーマの発生を減少させるという結果は得られていません。
じゃあ、日焼け止めはあまり効果はないんですね?
実はそうとも言えません。以前の日焼け止めはUVBは防げても、UVAは防げませんでした。
しかし最近は、UVBもUVAも防ぐことができる高機能なものが増えています。
最近行われたUVB,UVAを防ぐことのできる日焼け止めを使った研究では、日焼け止めによってメラノーマの発生を減少できたとの結果が得られています。
現在、FDAはUVA・UVBを防ぐことができて、SPF>15の場合はメラノーマ予防能を表示可能としています
出典:Sunscreen Use and Subsequent Melanoma Risk: A Population-Based Cohort Study
日本人は、紫外線が原因となる表在拡大型黒色腫の発生が全体の2割程度なので、欧米ほど効果がないかもしれませんが、きちんと日焼け止めを選ぶことでメラノーマのリスクを減らすことができます。
ほくろが多いとメラノーマになりやすいですか?
生まれた後にできる後天性色素細胞母斑の数が多いとメラノーマの発生のリスクが高いことがわかっています。
さまざまな研究から、白人ではほくろが50個以上あると表在拡大型メラノーマを発症する可能性が高いとされています。
人種の違いもあり、日本人にそのまま当てはまるわけではありませんが、日本人でもメラノーマ患者のほくろは多い傾向にあるため注意が必要です。
特に色白でほくろの多い方(50個以上)は、定期診察が推奨されています。
出典:皮膚悪性腫瘍ガイドライン
メラノーマはとにかく怖い病気です。気になるときは、すぐに受診しましょう。