体に気になる「ほくろ」はありませんか?
ほくろと思っていても、ボコッと立体的に膨らんでいたり、形がいびつなものは皮膚癌のひとつ「メラノーマ」かもしれません。
メラノーマは、悪性度の高い危険な皮膚癌ですが、ほくろと非常に似ているため見逃されがちです。
今回は、メラノーマがどんな病気で、どんなほくろが危険なのかを紹介します。
甘く見ると命取り、危険なほくろの見分け方
からだのほくろをよく見てみてください。
急激に大きくなったり、いびつな形のほくろは危険なほくろの可能性があります。
危険なほくろの特徴を紹介します。
ほくろはメラニン色素の集まり
ほくろは、皮膚の中のメラニンという色素が集まったものです。
メラニンは、動物や植物だけでなく菌類でもつくられる色素です。
ヒトを含む脊椎動物では、主に皮膚の基底層などにあるメラノサイトで作られます。
メラニンには黒褐色の真正メラニンとの橙赤色亜メラニンの2種類があります。
メラニンは体を守る!
動物のメラニンのほとんどは、皮膚の中にあります。
そして、メラニン色素は有害な紫外線を吸収して生物のDNAを守ってくれています。
※遺伝的な問題によってメラニンが合成されない固体である「アルビノ」は、メラニンを合成できる固体に比べて、優位に皮膚がんになりやすいとされています。
ほくろは遺伝する
ほくろは、「優性遺伝」するといわれています。
そのため両親のどちらかにほくろが多ければ、子共にも遺伝しやすくなります。
また、ほくろが多い人は、肌が色白である場合が多いため、より目立ちやすくなります。
後からできるほくろもある(後天的なもの)
ほくろは後天的な影響(生まれてからの影響)で増えることがあります。
例えば、「日焼け」もそのひとつです。もともと色白な体質の人は、紫外線に弱く、赤くなることが多くなります。
肌を守ろうと、メラノサイトが活性化していきます。最初は小さな点のようなシミができ、次第に大きくなって最後にはほくろになります。
日焼けに気を付けていても、年齢と共に増えていくことがあります。
ほくろは健康上は問題なし!
ほくろの位置や大きさによっては、美容上気になることもあります。また、ほくろの位置などで、顔の印象が変わるもの事実です。
特に思春期は、ニキビと共に悩む人が多いですが、ほくろはメラニン色素が集まったものであり、健康上問題はまったくありません。
足の裏や手にできるほくろは危険
健康にはまったく問題のないほくろですが、中には危険なほくろがあります。
といっても、ほくろに似ているだけで、ほくろではありません。
ほくろに似た皮膚がんです。
皮膚がんの一つ、悪性黒色腫(メラノーマ)
最近では、南海キャンディーズのしずちゃんのボクシングトレーナーだった梅津正彦さんが悪性黒色腫でお亡くなりになりました。
※2012年に見つかってその翌年にお亡くなりになられました。44歳という若さでした。
メラノーマは、メラニンを作り出すメラノサイトが癌化してできると考えられています。
初期のものはほくろと見分けがつきません。実際、初期のものはほくろそのものである場合もあります。
過度に紫外線を浴びたり、継続的な刺激によって癌化するといわれています。(まだ詳しいことは解明されていません)
特に日本人の場合、足の裏に発生する割合が多いといわれています。足の裏は歩くたびに刺激を受けるため、メラノーマが発生しやすいのです。
その他にも、手のひらのほくろが、長期間刺激を受けて癌化することもあります。
まれに爪にできることもあります。
手のひらや爪、足先などの四肢の先端にできたほくろは特に注意しましょう。
皮膚がんの中でも悪性度が高い
メラノーマは、一度できると急速に大きくなります。
特に若い人ほど転移が早く、見つかってから1~2ヶ月で内臓に広がって亡くなるケースも多い病気です。
そして、がん治療の主力である放射線治療、抗がん剤がなかなか効きません。
最近、免疫チェックポイント阻害剤である「オプジーボ(ニボルマブ)」が悪性黒色腫の治療に使えるようになりましたが、、非常に高額で誰もが使える薬ではありません。
診断は皮膚科の専門医に任せよう
素人ではほくろとメラノーマを正確に見分けるのは難しいです。実は医師でも専門としている人でないと分かりません。
皮膚がんや皮膚腫瘍は、一部を切り取って病理検査でどのような病気か調べることが多いですが、メラノーマの場合それは厳禁です。
組織を切り取ったりすると、一気に体に広がるといわれています。
診断には皮膚科専門医がダーモスコピーと呼ばれる特殊なルーペで注意深く見るしかありません。
もし、足の裏のほくろが、急に大きくなったり、色が薄くなったりした時は、迷わず「皮膚科」を受診しましょう。
メラノーマの写真(あくまで一部です)と注意するべき形状変化
ダーモスコピーでなくても、目で見える範囲で気をつけることも重要です。
代表的な写真と注意するべき形状の変化を紹介します。
参考:ONO ONCOLOGY
- 大きさが6mm以上
- いびつな形をしている
- 急に大きくなった気がする
- 色が薄くなってきたり、まだらになっている
- 盛り上がってきた
- ほくろの辺縁がにじんできて境界が分かりずらくなった
今はこのような状態でなくても、足の裏にほくろがある、手のひらにほくろがある、爪の一部が黒い、人は注意深く見てください。
ほとんどの場合は問題ないことが多いですが、まれにメラノーマがまぎれていることがあります。
早く見つかれば、生存率は高まります。後悔しないためにもとにかく早い段階で一度受診しましょう。
ほくろが多いとメラノーマになりやすい?
生まれてからできるほくろ(後天性色素細胞母斑)の数が多いほどメラノーマになる確率が高くなるといわれています。
人種にも違いがありますが、白人では全身のほくろが50個以上ある場合、メラノーマを発症する危険があるといわれ、定期的な受診が推奨されています。
日本人にそのまま当てはまるわけではありませんが、ほくろが多い人は注意が必要です。
また、最近では遺伝子が「がんのなりやすさ」に大きく関係していることがわかってきました。
以前は、専門の機関での検査が必要でしたが、最近は郵送で安価に調べることが可能です。
株式会社ユーグレナの「マイヘルス」サービスは、癌のリスクだけでなく、糖尿病など350項目以上の疾患に関して遺伝子レベルで解析をしてくれます。
一生に1回だけ検査をするだけで、その後の病気に対するリスクを知ることができます。
一度調べてみることをおすすめします。
このページで紹介した写真や症状以外の場合でもメラノーマである可能性はゼロではありません。あくまで自己責任でご判断ください。ライフレシピでは一切責任を負いかねますのでご了承ください。